お料理上手の演劇仲間から影響を受け、自家製酵母作りを始めてみたのが今年の梅雨時(←タイミングとしては最悪)。まだせいぜい3~4か月といったところである。
どこでどう聞きかじったのかはもう忘れたが、「自家製酵母といえばカンパーニュでしょう!」という情報を基に、最初のうちはほぼカンパーニュばかり焼いていた。
プレーンがメインだったが、ひょんなことから新しいレパートリーを開拓せざるを得ない状況になり、試しに焼いてみたのが「黒糖ナッツカンパーニュ」。
表紙の美しすぎるカンパーニュの写真に惹かれて思わず買ってしまった初めての自家製酵母パン本、
【自家製酵母で作るワンランク上のハード系パン】からレシピを拝借した。
いきなり「ワンランク上」を目指すとは我ながらどーいうつもりだと思ったけど、だって表紙が、表紙が。
これが上のお料理上手の演劇仲間や、そのほかの演劇仲間や、ついでに夫からも好評だったので、以降我が家ではカンパーニュといえばこればっかである。
程よい甘さで食事パンとしてもおやつパンとしても通用するところと、捏ねが少なくて済むところ(捏ね過ぎない方がいいらしい)と、成形も発酵かごにドカンと突っ込んで終わり!という手軽さで、日常的に焼くには非常に都合がいい。
今回も、前回記事のずっこけ山食の焼成のあとすぐに
「今日は休みだしもういっこ焼いとくか!」と気楽なかんじで生地を捏ね、一次発酵へ。
時刻は朝の5:30であった。
ちょうどここ2~3日で急に涼しくなってきていた。
梅雨時のジメジメ蒸し蒸しと、その後の猛暑しか知らない私はこれまで通りの調子で室温に放置していたら。
一次発酵が終わったのは、18:00。たっぷり12時間半かかった。
ただ放置しているだけだから時間なんていくらかかってもかまわないけど、問題ないのかなこれで。
と思いつつそのまま作業を続け、とりあえず完成。(↑の写真)
相変わらずだらしのないクープだが、そんなことよりまずは味見である。
なんだか、やさしいお味であった。
角がないというかなんというか。
これまで感じていた若干の酸味はライ麦粉によるものだと思ってたけどそれだけじゃなくって、高温短時間の発酵による影響もあったんじゃないかなあと、今更ながら考えた。
まだ読んだことはないけど、低温で一晩とか一日とかかけて、じっくり発酵させることをおススメしてる本もあるくらいだから、生地の乾燥さえ防げればむしろこっちの方が本来のカタチに近いのかなあとか。
いつもいつも同じパンを焼かなければならないプロの人が、温度管理に細心の注意を払っているのも当然だ。ということをじみじみ実感したのであった。
でもまあ、真夏のパンもあれはあれでおいしかった。
シロウトパンの醍醐味はむしろ、季節ごとに微妙に変わる味の変化を楽しむことにあるんじゃないかとすら思えてくる。
これからやってくる秋や冬や春がとても楽しみになってきた。
【今回のがんばったで賞】
センターラインの勢いに負けて、ちんまりとしか開かなかった
脇っちょのクープ。